2006年1月3日 朝日新聞朝刊

元気な九州にしたい

昨年12月中旬、福岡市内の喫茶店。若者が自分の夢や将来を語り合う合宿プログラムを企画・運営している任意団体「がむしゃら」代表の荒木真吾さん=九州産業大学4年=は手ぶりを交えながら、表情豊かにこれまでの活動や夢を語り始めた。「夢や希望があれば、それを糧に毎日を楽しんで生きることができる。僕の場合、それは「イベント」の中に詰まっているんです」。目が輝いていた。

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「がむしゃら」は約4年前、荒木さんが仲間を募って立ち上げた。名前には「一生懸命、夢などを語ることで、大きな一歩でなくても、小さな一歩、明日につながる一歩を踏み出してほしい」という思いをこめた。若者が仕事やNPO、ボランティアなど様々な分野で目標を持ち、活動することで「九州全体が元気になれば」と考えている。

毎年春、仲間数人で合宿内容を検討し、6〜7月に運営に携わるメンバーを募集する。同時に、各大学でのポスター掲示やチラシ配布、ホームページでも参加者を募る。これまで阿蘇や福岡県内で1泊2日、2泊3日の合宿プログラムを計3回開催してきた。

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荒木さんの原点は高校時代にある。2、3年生の冬、故郷・南関町で町おこしイベント「GET21(21世紀をつかめ)」に参加した。周囲は大人ばかり。ミレニアム(99〜00年)と新世紀(00〜01年)を迎える節目の大みそかに、地元の大津山(256メートル)を電飾で彩る「世界一のクリスマスツリー」を計画。荒木さんはホームページ作成と当夜、山のふもとに設けられたステージでの映像演出を担当した。

「この計画で、次代を担う子供たちが町を好きになってほしい」という願いがあった。目をキラキラさせ、夢を語る大人の姿を幾度と無く見た。一方で、将来について語ろうと思っても、しっかりとした考えを持った若者は少ない。「若者の方が夢にかけているのではないか。負けていられない」と感じた。

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昨年8月、福岡県添田町の県立英彦山青年の家で開いた合宿で印象的な出来事があった。夢実現に向けた「新しい一歩へのキッカケ創り」が目的だった。参加者は60人。その中に、おとなしく内気な20代の女性がいた。

やりたいことを見つめる「自分発見ワークショップ」や政治や教育、医療など興味や関心がある分野ごとに語り合う「自分の将来を考えるワークショップ」などを2泊3日でこなした。

最終日、女性は全員の前で、将来のビジョンのため「明日からできる自分の一歩」を語った。笑みを浮かべ、はきはきとした姿に「人は変われるんだな」と実感した。

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「仕事も、生活も、遊びもほどほどという選択肢はある。でも、この時代に生きた証を残したい。将来、良かったなと振り返れる生き方をしたい」。荒木さんは昨年、内定していた大企業への就職を断った。

いまの夢は、数年後に結婚関連会社を興すことだ。昨年12月、知人の結婚式の2次会を企画・運営した。ビデオレターや参加者全員のメッセージを添えたスナップ社員を関係者に贈り、皆が喜ぶ姿に「自分が今を生きる必要性を感じられた」。これまdねお体験から「人の幸せや喜ぶ姿を見て、自分の心も満たされる」とも考えた。ただ、自分は「まだまだ未熟」。将来の企業を見据え、一度就職し、社会勉強を積んだ上で、タイミングを図るつもりだ。

ニートやフリーターが増え、「働く意味」が問われている。働くこと、仕事することって・・・。夢を追いかける若者の素顔に迫ってみた。