2002年9月 熊本大学新聞
特集◆交流イベント「がむしゃら!」 8月31日、9月1日の2日間、国立阿蘇青年の家(熊本県阿蘇郡一宮町)で、若者たちに夢や新たな自分を見つける場を与えようと、交流イベント「がむしゃら!」が行われた。本学生も含む福岡・熊本の大学生や社会人ら22人が中心となって開催したこのイベントには、各大学や各地から情熱溢れる同年代の若者たち約百七十人が集まった。今回は、このイベント「がむしゃら!」の様子や、同イベントのゲストスピーカーで、NPO法人ドットジェイピー(.jp)(本部・大阪市)副理事長の佐藤大吾氏(28)の講演内容を紹介したい。 ■□□ 8月21日、本学や九州大、熊本県立大などの様々な大学や社会人からなる参加者が「がむしゃら」実行委員会がチャーターしたバスや自家用車などで国立阿蘇青年の家に集まった。まず、ガイダンスではばらばらに部屋分けされ、チーム対抗バレーボール大会で第一の交流を持った。 続いて、革新的なインターンシップ業で数々の成功を収め、今もっとも注目される若手起業家の一人である、NPO法人ドットジェイピーの佐藤大吾副理事長の「トークライブ」が行われた。佐藤氏は、大阪大在学中から学生向けに就職勉強会を主催。全国の大学に活動を展開するなど様々な経験を持つ。同氏は、同団体創設に至る自分の体験を振り返りながら、「夢探し」の大切さを語った。 同日夜には大交流会が催され、大いに盛り上がった。飲み物やお菓子を片手に自己紹介をしたり、初対面の参加者たちと雑談し、意気投合している光景があちらこちらで見られた。 交流で出会った仲間たちと熱く語り合っていた本学法学部四年の野口加奈子さんは「友人の紹介で参加した。昔から一緒にいる同じ学部・大学の友達とは違って、いろんな人と出会いたい」と声を弾ませていた。また、大阪から来たある社会人は「仕事をしていると、やりたいことがあるのに何もできないでいることが多い。だから、多くの人からいろいろな意見を聞いてみたい」と話していた。 2日目、9月1日には、「ワークショップ」と「パワーソウル」という二大イベントが行われた。ワークショップでは、国際、文化、イベントなど同じ分野に興味を持った参加者同士がグループなって積極的に意見交換しながら、新たな可能性を模索。それぞれが考えたプロジェクトを発表した。一方、パワーソウルでは、参加者全員がパワーとアイデアを合わせて、阿蘇の大自然でダンスをしたり、椅子の姿勢で前後の人間が列をなしていく「シッティングチェアー」に挑戦したりした。 二日間にわたるイベントは無事に終了し、最後は参加者それぞれが今後の「はじめの一歩」を誓い合うような感動的なフィナーレを迎えた。 □■□ がむしゃら実行委員会代表で九州産業大学一年の荒木真吾さん(19)によると、実行委員会が発足したのは5月上旬。具体的に打ち合わせなどに乗り出したのは同月25日から。社会人9人も含め、全部で22人という実行委員のメンバー構成が実現したのは、それぞれのコネクション(人脈)からだという。友達が友達を呼んできた組織なのだ。どうしてスタッフを一つにまとめることができたのかという問いには、「革新的ではないが、スタッフそれぞれが、イベント開催のモチベーションが高かったことが一つの大きな要因」だと荒木さんは語る。 今後も「学生や社会人を中心に、刺激的な人々が集まる講演会や交流会、合宿、沖縄ツアー、議員インターンシップなど精力的に活動を続けていきたい」と荒木さんは抱負を語る。なお、交流イベント「がむしゃら!」は来年以降も継続したいということだ。 □□■ 「冷めている」「マニュアル化」「きれる」など、社会から見た若者の一般的なイメージはあまりいいものではないだろう。しかし今回、イベント「がむしゃら!」の取材をしてみて感じたのは、若者の心の奥底には「本当な、何かやりたいし、自分が打ち込める夢、人生の目的を見つけたい」という衝動が潜んでいるということだ。しかし、今の若者はそれを見つける場を主体的につかむことができていないし、見つけ方を知らないとも、同時に感じさせられた。 多くの人との出会いの中で自分を磨き、自分の価値、可能性、希望、夢を見出せるし、人との交わりの中で新たな力が与えられるということを、大部分の若者たちは知らないのかもしれない。様々な問題を抱いているこの現代社会に、若者たちから希望の光を灯すことができるよう、高い夢や目標に向かって互いに切磋琢磨していくことの必要性について考えさせれた。 "かばん持ち"で道開ける ドットジェイピー副理事長 私の仕事は、主に議員さんやお役所、あるいは企業に、学生さんを派遣すること、つまりインターンシップです。私は今ではNPOドットジェイピーとシンカという会社の2つをやっていますが、実は20歳を過ぎるまでは夢の無い男でした。高校のときは、勉強して少しでも高い点数を取れればいいと思っていました。それが大学に入った途端「好きにしなさい」といわれrと、突然不安になってしまい、「自由ってすごく不自由だな」という気がして、どこにも足を踏み出せずにいました。「夢持てない、どうやってつくり出そう?」というところからスタートしたのです 私は社長のかばん持ちを合計三回やり、非常にいい勉強になりました。だから、後輩で「夢がわからない」「就職活動で困っている」という学生がいたら、「私の知人である社長のかばん持ちを一回してみたら」と紹介する活動を始めたわけです。そうしたら、社長も学生も喜んで、その間を取り持つ私も嬉しかったのです。 こうやって人の就職活動のサポートをやっているうちに、「自分には夢がない」と言っていたけど、これを続けることが私の夢なのではないかと思い始めたわけです。そして、アメリカや海外では百年以上も歴史がある、このインターンシップを日本に広げていこうと思ったとき、「夢が見つかったな」と思ったのです。 でも、インターンシップの普及という観点から見るとき、今はもうインターンシップを知らない人のほうが少ないという状況から、私の役目は一つ終わったかな、という気がしています。私としては、そもそも就職活動はなくなったらいいと思っています。就職活動は企業にしても学生にしても、お面をつけたり化粧をするイメージがあるのでが、あるべき姿とは、裸になって向き合うことだと思います。それに、大学三年生から突然、就職活動が始まっても、自由と不自由の狭間で戸惑うに決まっています。 |